Switch『Röki』感想|不思議な生き物が守る雪深い大地へ
Röki/2200円
北欧の伝承をモチーフにしたアドベンチャーゲーム。
あまり触れたことのないテーマだったので購入してみました。
父親と弟、3人で平和に暮らしていた女の子トーブ。
しかしある夜突然、黒くて巨大な怪物が彼女たちの家に襲い掛かります。
トーブは怪物から逃げるうち、不思議な世界に足を踏み入れることになるのでした…。
ポイント&クリック系のアドベンチャーゲームで、気になる場所を調べてアイテムを入手したり、謎を解いて進んでいきます。
調べられる場所はLスティックを押し込むと光るので親切。
グラフィックはインディーゲーではよくある感じではありますが、雰囲気に合っていて綺麗だと感じました。
冬の話なので雪景色がメインですが、廃墟となった建物や遺跡が雪の中に佇む姿は美しく、冒険するのが楽しいです。雪の上を歩くと跡がつく表現も好き。
ストーリーの進行に関係ないけど調べられる場所も結構あり、主人公が全てにコメントするのも細かいですね。翻訳も違和感無し。
ガーディアンや精霊など、北欧の伝承をモチーフにした不思議で個性的なキャラクター達が出てくるのも面白いと思いました。
ただ、ちょっと気になったのは全体的なテンポの悪さ。
謎解きのためにエリアをあちこち移動することになるのですが、導線があまりしっかりしていない印象でした。次にどこに行っていいか分からず無駄に歩き回ることが多かったです。
一応エリア間を繋ぐワープポイントはあるのですが、それを使っても移動が大変でした。
終盤のギミックは楽しかったのですが…。
また、途中から「このアイテムを作るためにこの材料を集めてこい」みたいなおつかいが増えてくるのもちょっとうんざり。精霊や神様が出てくるのにやることがチマチマしている…。
マップ上にあるアイテムを拾うと日記に記録されていく収集要素もあります。イラスト付きで可愛らしく、見るのも楽しいです。
ただ、画面上ではかなり小さいので全部見つけるのは大変かも。
どのエリアで拾えるかのヒントが見れても良かったかなと思いました。
私の場合詰まりながらだったのでクリアまで10時間くらい掛かりました。難易度は高めだと思います。
雪景色は綺麗で見ごたえがあります。
一部キャラボイスがあったり、ストーリーを進める毎に主人公の日記が更新されていったり、細かい作りは素敵だと思うのですがテンポの悪さがネックかな。
グラフィックと、おとぎ話の雰囲気を楽しめそうならありだと思います。
Switch/PS4『The Last Campfire』感想|キャンプファイアーに希望の炎を。幻想的な探索パズル
The Last Campfire/1480円(Switch)1430円(PS4)
「No Man’s Sky」の開発スタジオが手掛けたDL専用ゲームということで気になっていた作品です。
No Man’s Sky自体は序盤だけ遊んでそれきりなのですが…!
あのちょっと孤独を感じる空気感は大好きで、また遊び直したいと思っています。
今作もどこか切ない雰囲気が魅力の作品でした。
舟で旅をしていたエンバー族たち。
しかしその途中に遭難してしまい、一人のエンバーは他の仲間達とはぐれてしまいます。
彼が目を覚ましたのは不思議な洞窟の中でした。彼は仲間達を助けるため、そして故郷へ帰るために旅立ちます。
エリアのあちこちにある仕掛けを解きながら先に進み、他のエンバーを探していきます。
各地には希望を失って動けなくなった状態(フォーローン)になったエンバー達がいます。
エンバー達に触れるとパズルマップに移動。パズルを解いて魂を解放することで彼らを救うことができます。
魂を救ったエンバーはエリアの中央にあるキャンプファイアーに集まります。そのエリアにいる4人以上のエンバーを救うと次のエリアに進むことができます。
パズルはスイッチを押して足場を切り替えていくものや、
風を避けながら火を消さないように運ぶものなど。
色々なバリエーションがあって飽きずに楽しめます。
最初は簡単なパズルが多いですが、段々難易度が上がっていきます。後半は少し難しいものの、試行錯誤すれば解けるレベルなので全体的に丁度いい難易度だと思いました。
エンバーは最低4人助ければ先に進めるので、解けないパズルがあってもストーリーは進められるようになっているのが良かったです。
また、まだ助けていないエンバーについてはキャンプファイアーで場所のヒントを聞くことができるため詰まりにくくなっています。
収集要素として、各地にある放浪者が書いた日記の切れ端「忘れられたもの」を集める要素があります。
これも少し頭を使う場所に置かれていて、集めるのが楽しい。
画面の左上に、そのエリアにある「忘れられたもの」の数が表示され、入手したかどうか一目で分かるので親切だと思いました。
グラフィックも綺麗で、小さい体で動き回るエンバーは可愛らしく癒されます。
ちょっと薄暗い場所が多いですが、その分炎や光の美しさが際立っていて幻想的。
エンバー族がメインの物語ですが、圧倒的な存在感の「森の王」やカメの料理人など、各エリアにいるエンバー以外のキャラクターはどれも個性が際立っていて印象に残りました。
希望を取り戻した仲間をキャンプファイアーに集めるというコンセプトも素敵ですね。
気になったのは日本語訳。
意味は通じるものが多いですが、言い回しが固く、口調が統一されていない部分もあって違和感がありました。
哲学的、抽象的な台詞が多いので、余計「?」となる場面も。
ストーリーも感動的なようでいてフワッとした内容のため、あまり心に響きませんでした。雰囲気は良いだけに残念。
またオートセーブですがセーブ中の表示が出ないため、ちゃんとセーブできているのか不安になることが何回かありました。
全てのエンバーを助けるまで遊んで6~7時間 くらい。
ストーリーや翻訳部分で少し気になる点はありましたが、幻想的な雰囲気やパズル面は楽しめました。
静かな世界観で探索やパズルを楽しみたい方にはおすすめできる作品だと思います。
雑記|最近遊んでるゲームについて
毎週順調に積みゲーを増やしているので、小粒なものからどんどんクリアしていきたいなーと思うのですが…
ここ2週間くらい、クリアできたゲームがありません!(ゲーム自体はほぼ毎日プレイしてます)
ブログを週に1回更新する!と自分の中で目標にしていたので、その習慣が途切れてしまうと書くことも億劫になってしまいそう。そのため、現在プレイ中のゲームについてちょろっと書いていこうかと思います。推敲とかしなかったので文章変だったらすみません。
1.GhostOfTsushima(PS4)
他のゲーム遊べてない理由の大部分がこのゲームの遊びすぎです。
7月に発売されてかなりの高評価を得ていた作品ですが、私は2ヶ月ほど遅れて購入したためまだまだプレイ中。今は中盤あたりです。
日本が舞台のオープンワールドゲームでとにかくグラフィックが美しく、探索が本当に楽しい。
フォトモードも搭載されていて、設定を細かくいじれるため、素人でも簡単に美しい写真を撮れます(上のもフォトモードで撮ったスクショです)。探索とフォトモードが楽しすぎて全く本編が進まない問題が発生するほど。
武士としての誉れを大切にしながら故郷を守るため闇討ちに手を染める主人公の葛藤など、ストーリーも素晴らしく、全ての日本人にプレイしてほしい…。
さらに先日大型アップデートでマルチプレイモードが追加され、もう止め時を失っています。
こちらのマルチプレイモードはクエストをクリアして良い装備を集め、より強いクエストに挑む…というハクスラ要素があり、これがまた面白い。ハクスラにはあまりハマらないかなと思っていたのですが、やっぱりオンライン要素があると他のプレイヤーに追い付きたくて頑張ってしまいます。
ただ所要時間が長すぎる気はしますね。4人プレイのモードでは、1回のクエストをクリアするまで最低難易度で30分、最高難易度では1時間半かかるそうで…。気軽にプレイできる感じではないなと思いました。敵から陣地を守るタワーディフェンスなので疲労度も半端ないです。
もう少し気軽に集まってプレイできるシステムだったらな、と思います。いやめちゃくちゃ楽しいんですが!無料でこれだけ遊べるものを用意して頂いて本当にありがとうございます!
…と、そんな感じなので本編もいつクリアできるのか分かりませんが、のんびりプレイしていこうと思います。
2.Spiritfarer(Switch)
発売前から気になっていたインディーゲーム。
アニメ映画のようなグラフィックが素晴らしく、幻想的な世界を船で旅するのはとても癒されます。
素材を集めて船の設備を強化し、更に先へ進む…という私の好きなタイプのゲームでした。
配信されたら一気にクリアするつもりだったのですが、思った以上にボリュームたっぷりで、まだマップの4分の1ほどしか埋まってないです。
聞いた話だと、全てのクエストをクリアするまで30時間ほどかかるとか。
価格が2970円なので、プレイ時間やクオリティを考えるとかなり満足できるなと思います。
もう一気にクリアとか考えず、1日の終わりに少しずつ遊んで癒されようと思いました。
3.デビルサバイバー オーバークロック(3DS)
主に他のゲームのロード時間に遊んでます。ロード時間といっても数秒なので全然進まないです。当然ですが。
それでも何とか中盤あたりまで来ました。
メガテン系初心者なので入門用に買ってみたのですが、まさかの私が苦手なSRPGでした。
悪魔同士を合体させて強くしていくのがメガテンの特徴的なシステムだと思いますが、私は貧乏性ゆえパーティーメンバーの悪魔を合体させることになかなか慣れず…
でもプレイしていくにつれ、新しい悪魔を生み出して強くしていくのが楽しくなってきました。格好いい悪魔が生まれると嬉しいです。
SRPGへの苦手意識も薄れてきました。ストーリーも先が気になる感じで、ここからどう分岐していくのか楽しみ。
4.スーパーマリオブラザーズ35(Switch)
基本1人プレイなんだけど敵を送り合うシステム、どこでコインを使うかや誰を狙うかなど他のプレイヤーとの駆け引きが発生するのが面白い!
世代ではないですがファミコンのマリオはかなり遊んでたので、隠しブロックの位置などは結構分かって有利になれるのが嬉しいです。
今の平均順位は5位。たまに凡ミスして30位とかになるとめっちゃ悔しい。
レベルが高い人同士だと地獄のような量のジュゲムやハンマーブロスが画面を埋め尽くしてたり、完全に別ゲーになってるのが面白すぎる。
期間限定にするには勿体ないくらい楽しいので、常時配信しててほしいです。
他にもゼノブレDEとかデトロイトの分岐埋めとか、細かいインディーゲームも少しずつ遊んでますが、優先してプレイ中なのはこの辺りです。
最近はたっぷり遊べるボリュームのゲームがすごく多いですよね。それ自体はとてもありがたいのですが、他のゲームのことを考えるとどうしても諦めないといけない要素も出てきて、そこが辛いところです。
昔は図鑑とかコンプリートしたい派で一つのゲームをやり込んでいたけど、社会人になって時間が少なくなった今は一つをやり込むよりたくさんのゲームを遊ぶことを優先しています。でも本当はコンプまでやりたい、悲しきジレンマ。
なるべく週1本クリアしたいですが、あまり急ぎすぎず自分のペースで遊んでいきたいと思います。ゲームは楽しむものだからね!
Switch『A HERO AND A GARDEN』感想|勇者のお仕事はベリーの収穫!ほっこりノベルゲーム
A HERO AND A GARDEN(ヒーロー アンド ガーデン)/500円
クリッカーゲーム好きなのと、イラストのゆる可愛さ、ワンコインという安さに惹かれて購入しました。
実際やってみるとクリッカーゲームと呼べるのか微妙な内容でしたが、優しい世界観に癒される作品でした。
昔々、塔にお姫様がいました。
そこはモンスターを従える魔女が住んでいる塔でした。
誰も魔女を恐れて姫を助けようとしない中、一人の勇者が立ち上がります。
勇者は魔法の剣を手に魔女に立ち向かいますが、その時稲妻が落ち、モンスターの町は壊滅。勇者も捕らえられてしまいます。
魔女は勇者に呪いをかけ、勇者が壊した町の修理費を稼ぐまで塔の庭から出られなくしてしまいました。
この庭で与えられた勇者の仕事は、ベリーの収穫。
勇者は呪いを解いてもらうため、しぶしぶ庭でベリーの世話を始めるのでした。
この勇者、態度と口が悪いぞ。
時間経過で実るベリーを収穫して納品し、貯まったお金で町の修理を行うことでストーリーが進みます。
クリッカーゲームはどんどん設備をレベルアップさせてインフレしていく数字を楽しむものだと思いますが、このゲームにはそういった要素はありません。
ベリーは一度に3つまでしか実らないし、実るスピードも遅いので、数秒待って収穫…の繰り返しになりかなり単調です。ベリーの収穫を早める設備なども存在しません。
ベリーは「勇者が見ていないと育たない」設定なので、ゲームを起動していないときやストーリーを読んでいる時に実を付けることはありません。
特に納品に必要な数が増えてくる後半は待っているだけの時間が増え、オルゴール調の音楽も相まって眠くなります…。
一応収穫を手伝ってくれるキャラ「スス」もいるのですが…
ゲーム内でも触れられている通り、自分で収穫したほうが早いです。
一生懸命収穫してくれる姿は可愛いんだけどね…!
依頼を全てクリアしたベリーはその後収穫しても無意味なので、後半はただの飾り状態になるのも気になりました。
箱庭系のゲームによくあるような庭を発展させていく要素があるのかと思ったのですが、その辺も無くゲーム部分がかなりあっさりしていたのは残念。
ゲームとしては単調ですが、イラストはとても可愛らしく、合間に挟まるストーリーも癒されます。
魔物の町を壊滅させてしまった勇者が町の復興のために働くというちょっと重たいテーマですが、イラストやBGMで優しい雰囲気にまとまっていると思いました。
主人公のサイラスは態度は悪いけど、姫を助けようとしたのに結局裏目に出て魔物達から恨まれたり、姫のことになると急に後ろ向きになったりと可哀想になってくる!
しかし、始めは反省する気のなかったサイラスがモンスター達と接するうちに少しずつ成長していったり、お互いに歩み寄っていく姿にはほっこりした気持ちになりました。
登場するモンスターは勇者を恨んでいたり、人間の言葉が喋れなかったりしますが、「種族の違いをどのように理解し、受け入れるか」という部分が丁寧に描かれていて良かったです。
クリアまで1時間半くらい。
待ち時間が長いので、何かしながら片手間にやるくらいがちょうどいいかも。
元はスマホの無料ゲームで追加要素もないようなので、CS機で買う意味はちょっと薄いかなと思いました。
ゲームとして単調ではありますが、優しい雰囲気やストーリーはかなり好きでした。イラストのゆる可愛いタッチが好みならストーリーも気に入ると思います。
ほっこりしたい人向けの作品です。
Switch『Florence』感想|ありふれた日常を丁寧に描いた短編作品
Florenceは、Switchで700円で配信されている作品です。
イラストと色使いが可愛いなと思ったので買ってみました。
かなりコンパクトな作品で、ゲームというよりは仕掛け絵本のような感じでした。
主人公はどこにでもいそうな25歳の女性、フローレンス・ヨー。
プレイヤーは様々なアクションを通じて、彼女の物語を追っていきます。
プレイヤーが体験するのは、彼女のなんてことない日常。
例えば、スティックを左右に動かして歯を磨いたり。
例えば、友達のSNSに反応したり。
彼のために料理を作ってあげたり。
ゲームとして面白いかは置いておいて、プレイヤーが実際に操作することで彼女の人生を体験しているような気分になれます。
何気ない日常の動作をゲームとしてプレイするのはちょっと不思議な感じ。
主人公のフローレンスの心情はゲームの端々に現れており、その表現方法がセンスがあって好きです。
彼との出会いのシーンでは、それまで色のなかったフローレンスの世界が少しずつ色づいていきます。
全体的に色の使い方がとても印象的な作品で、タイトル画面にも使われている「黄色」がキーになっています。
彼と付き合っている幸せな時期は仕事のスピードも早くなったり、そういった細かい描写でフローレンスの心情を丁寧に描いているのが良いですね。プレイしていてより彼女に共感できます。
また、特に印象に残ったのがこの会話のシーン。
ピースをはめてパズルを完成させることで会話を表現しています。
付き合い始めの頃はピースが多くて一言発するのにも時間がかかるけど、付き合ってしばらくするとピースが少なくなり、スムーズに喋れるようになる。
また、口論になった時はピースがトゲトゲしてくる、など。
このセンスが素敵だなぁと思いました。
クリアまで30分~1時間くらい。やり込み要素などは無く、純粋に物語を体験するだけ、といった作品です。
スマホ版は330円なので、Switch版はどうしても割高な印象を受けてしまいます。
ストーリーも意外性はないし、ドラマチックな話ではないんだけど、ありふれた話だからこそ意味があるゲームなのかなと思いました。
イラストもすごく可愛いし、ピアノがメインのBGMも癒されます。
雰囲気が気に入れば、息抜きに短編漫画を読む感覚で買うのもありかなと思いました。
Switch『A Short Hike』感想|たまにはのんびりハイキング、してみない?
『A Short Hike』はSwitchで850円で配信されているゲームです。
ハイキングという楽しげな響きに惹かれて購入。
遊んでいると疲れた心が癒されるような、ほのぼのとした良い作品でした。
都会に住む小鳥の女の子クレア。彼女はホークピーク州立公園に住むメイおばさんの家を訪れています。
しかし、自然に囲まれたその場所は携帯電話の電波が届きません。
ある人からの電話を待っているクレアは、唯一電波が届くホークピーク山の山頂を目指して出発することに。
彼女の小さな冒険の始まりです。
このゲームはオープンワールドになっていて、自分の好きなように探索しながら山を登ることができます。
主人公のクレアは移動の他に、Aボタンでジャンプ、ジャンプ中に長押しでグライド(滑空)ができます。
道中で手に入れることができる「黄金の羽根」を持っているとその枚数分だけ高く飛べるようになります。
道中では様々な動物たちとの出会いがあり、中にはクレアに頼み事をしてくるキャラクターも。
探索したり、頼みを聞いたりして黄金の羽根を集めながら山頂を目指していくのがこのゲームの流れです。
グラフィックはかなり粗めなのが特徴的で、懐かしい雰囲気。
と思いきや、メニューの設定からピクセルサイズを「中」にすれば滑らかなグラフィックになります。なんでこっちがデフォルトじゃないの!?
でもこの粗い感じが味があって可愛いなと思ったので、結局ずっとこっちで遊んでました。
このホークピーク州立公園、実際に歩き回ってみるとなかなかの広さです。
この小さいけど大きいオープンワールドを探索するのが本当に楽しい!
あちこちにお金が埋まっていたり、宝箱が隠されていたりするのでワクワクしながら山登りができます。
ほのぼのとした雰囲気が素晴らしく、釣りをしたり、宝探しをしたり、時にはビーチスティックボール対決をしたり。マイペースに遊べて癒されるゲームです。
タイトル通りハイキングをしているような軽やかな気持ちになれます。音楽も心地良くて素敵。
オープンワールドを自由に飛び回れるのが楽しく、高いところからゆったりグライドする感覚がとても気持ちいいです。
エリアが広くてかなり迷うので、プレイ中はマップが欲しくなりました。
ただ、マップがないことで初めての場所を探索するワクワク感が強まるし、クリアしてから「こんな場所あったんだ!」という発見もあったので、迷うのも楽しみの一つかなと思いました。
また、道中での動物たちとの出会いもこのゲームの大きな魅力。
ちょっと変わった動物や、悩みを抱えた動物など出会うキャラクターは様々です。
クレアと他のキャラクターの会話は何気ないものなんだけど、その何気ないテキストがすごく良い。
ローカライズも完璧で、クスッとくるような言い回し含めてこの作品の温かさが上手く表現されています。
このゲームを遊んでいると前向きになれるんだけど、押し付けがましくないゆるさがすごく好き。いつもこんなゆったりした心構えでいたいなぁ…という気持ちになります。
また、クレアと同じように山頂を目指している動物もいて、登っていく途中で再会することも。この「出会い」を大切にした構成が好きです。
ストーリーも都会からきた女の子が初めて山を登るというちょっとしたものなんだけど、途中で色々な出会いをして、頂上に着く頃にはちょっとだけ成長している。その「ひと夏の冒険」感がすごく良いんだよなぁ。
初めて山頂に登った後、グライドしながらホークピークを見下ろすと、「いつの間にかこんなに高くまで登ってきてたんだなぁ…」と実感できるんですよね。小さいけどいい冒険をしたなぁという気持ちになれました。
私の場合はクリアまで4時間くらい。
山頂を目指すだけなら1時間で終わりますが、その道中をのんびり楽しむゲームです。
クリア後も黄金の羽根集めや釣りなどで最終的に7時間くらい遊びました。
これで850円はかなり満足感あるなぁ。
日々に疲れた人は、ホークピークにリフレッシュしに来てみませんか?
Switch『World for Two』感想|滅びゆく世界で繋ぐ希望
「World for Two」はSwitchで1400円で配信されているゲームです。
元々スマホで無料ゲームとして配信されていたものに、アニメーションの改良や追加要素など色々と手が加えられたもののようです。
この作品のことは知らなかったのですが、「アンリアルライフ」をリリースしたレーベルのヨカゼから出ている、ということでこれは買うしかない!と即買いしました。
ゲーム内容は結構作業的だったけど、切なくも美しい世界が胸に残る1本でした。
大洪水によりあらゆる生物が滅んでしまった世界。
最後の生き残りである博士は、世界を救うべく新たな生命を創る研究をしています。
彼は研究を手伝ってもらうために1体のアンドロイドを創り出しました。
博士の力になるのが自分の使命だと感じたアンドロイド。
二人は荒廃した世界で希望を繋ぐため、生命創りを始めます。
拠点となるのは地下にある研究所。ここでDNAを掛け合わせて様々な種類の生物を産み出すのがこのゲームの目的です。
生物は人工DNAと生物DNAを特定の組み合わせで掛け合わせることで誕生します。
人工DNAは自然エネルギーから作ることができます。エネルギーは各エリアにある装置から発生し、時間経過で溜まっていくので定期的に回収する必要があります。
エリア毎に発生する自然エネルギーは異なるため、新しいエリアに行けるようになる度に創造できる生物の種類も増えていきます。
生物DNAは産み出した生物から採取することができ、1つの個体から3つまで得ることができます。
3回DNAを採った個体は消えてしまうのがちょっと切ない。命とは儚いものなのだ…。
ゲームの流れとしては、そのエリアで創造できる生物をある程度創造して新しいエリアを解放し、そのエリアの装置からまた新しい人工DNAを作る…の繰り返しになります。
メニューから見ることができる「BOOK」では創ったことのある生物一覧を確認できます。また、その生物の進化系統や何パターンに進化するかも分かるため、ここを確認しながらDNAの組み合わせを試していくことになります。
組み合わせは何でもいいという訳ではなく、例えばシーラカンスのDNAと鳥類のDNAのような適当な組み合わせでは失敗してしまいます。
その生物に何を掛け合わせれば進化しそうかをちゃんと考えて組み合わせるのがポイント。
ただ、各エリアに生息できるDNAの種類や進化系統からある程度組み合わせは絞り込めるとはいえ、どうしても総当たり的なプレイになりがち。
この生物のDNAが欲しい!となった時に、じゃあこれを作るにはこの生物が必要で、この生物を作るには…みたいな感じで手持ちのDNAによっては進化系統の始めから作り直さなければいけないことがしばしばあり、結構面倒でした。
また、一度失敗したDNAの組み合わせは配合の直前まで表示されないので、どの組み合わせを試したのかが分かりづらくかなり混乱します。自分でメモをとるのが一番確実。
研究所と地上を何度も行き来することになるのも大変でした。メニューから各エリアに移動できるようにはなっているのですが、横長のマップのどこに目的の生物がいるか分からないため、エリア内をうろうろ歩き回ることが多かったです。
と、ゲームとしては作業ゲー的な面が強すぎてちょっと微妙かなと思いましたが、そんな作業感を差し引いても作品の持つ雰囲気が素晴らしい。
ドットで描かれた世界は美しく、特に水面に反射する景色の表現はとても綺麗で神秘的です。
植物に支配された様子や、あちこちに残されている構造物など…滅びゆく世界は静かで、どこか切なくなります。
こういうどことなく切ないゲーム大好きなので、たまらない…。
時間と共に映り変わる景色もまた美しい。少しずつ色が変わっていく空、ゆっくり昇っていく月など雰囲気作りへのこだわりを感じます。
Switchに移植するにあたって描き直されたという生物のアニメーションも滑らかで綺麗です。
また、私がこのゲームで一番気に入っているのが音楽。
どのBGMも優しくも切なく、滅びゆく世界という雰囲気にぴったり合っていて本当に美しい…。
クリア特典としてBGMをピアノ5重奏に変更できるのですが、こちらも同じくらい好きです。
生命創りは大変ですが、その分新たな生物が誕生したときは嬉しくなります。ここは博士やアンドロイドの気持ちとシンクロする瞬間ですね。
生命を産み出し、DNAを採取し、消えていく命を見届ける…それを何度も繰り返した先にあるエンディングと、クリア後に見られる前日譚はかなり胸にくるものがありました。
前日譚を見ると思い入れが変わると思うので、スマホ版をクリアした人も是非Switch版をやって欲しいなぁ。
BOOKを全て埋めるまでプレイして5時間程でした。
グラフィック、音楽、ストーリーすべてが美しい作品。
DNAの組み合わせを何パターンも試さないといけない中盤はちょっと辛いんだけど、それ以上に雰囲気が素晴らしかった。
プレイして良かったなぁと思える作品でした。
「ヨカゼ」のゲーム、これからも注目していきたいです。