ノートの切れ端

遊んだゲームの感想などを書いてます。

Switch/PS4『マヨナカ・ガラン』感想|「救い」を求める奇妙な村で

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ec.nintendo.com

独特の雰囲気が魅力の伝奇ADV。オカルトホラーとありますが、ホラーというほどの要素は無かったので苦手な自分でも普通に読めました。
短時間で読めて面白かったし、そのセンスに引き込まれた作品でした。


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かつて隠れキリシタンの村だった大臼村。
キリスト教の歴史を編纂している「橘はももる」は、村おこしのため、村の郷土史をまとめてほしいと外部から招かれました。
手厚いもてなしを受け、村おこしのために張り切る はももるでしたが、村について調べているうちにこの村の大きな秘密を知ることになります…。


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ゲームでは村の中を探索するパートがあり、行き先を選択して村人の話を聞いて回ります。
ただ、最終的には全部の行き先を回ることになるし、選択肢も存在しないのでエンディングは1つのみ。見るのがメインの1本道のゲームです。


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このゲームの一番の個性はやはりグラフィックだと思います。
切り絵のようなグラフィックもさることながら、メインキャラ以外の村人達の表現方法に注目。背景の奥に一枚の絵(図案?)があり、シルエットが切り抜かれて奥の絵が見えるようになっています。(説明が難しい)
正直結構見づらいのですが、この表現方法は他に見たことがなく、かなり引き込まれました。
背景が黒ベースなこともあり、異様な雰囲気がストーリーとも合っていて良いですね。f:id:harumaruichi:20200828232941j:image
単に奇をてらった表現ではなく、ストーリー上でもちゃんと意味を持っていて面白いと思いました。
全体的に画面が薄暗いので夜の場面だとよく見えないこともありましたが…雰囲気は唯一無二だと思います。


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ストーリーも、序盤はどこか奇妙な村の様子に引き込まれるし、中盤以降は少しずつ真相が明らかになっていくのが面白くてどんどん読み進めてしまいました。
信仰や伝奇をモチーフにした話ですが、小難しさがなく、テンポよく読めて良かったです。
一部すっきりしない部分もありましたが、「救いとは何か?」について考えさせられる物語でした。エンディングも好き。
フルボイスなのも満足度高かったです。
オカルト系の話が好きな人、独特のセンスを楽しみたい人におすすめ。