Switch/PS4『ジラフとアンニカ』感想|その島にあるのは、やさしい思い出
優しい世界観と可愛いキャラクターが特徴のアドベンチャーゲーム。
その可愛らしさに一目惚れして、ずっと楽しみにしていた作品です。
プレイ中ずっと癒されっぱなしで、後半は終わるのが勿体なくて少しずつ遊んでました。
主人公のアンニカが目を覚ますと、そこは見知らぬ島。どうやら彼女は記憶を失ってしまっているようです。
そんなアンニカの前に現れた少年「ジラフ」。
彼はアンニカに、「この島の3つのダンジョンに眠る星のかけらを集めるのを手伝ってほしい」というお願いをしてきます。
どうやら彼はアンニカのことを知っているようですが…?
アンニカはジラフと共に、不思議な島の秘密を解き明かす冒険に出るのでした。
物語の舞台となるのは「スピカ島」。
島自体はそんなに広くないのですが、この島には探検するワクワクがギュッと詰まっています。
まずアンニカが目覚めることになるこの場所。
近くを見ると喋る猫の変な置物(セーブしてくれる)や、やたらゆるいおみくじを引いてくれるカカシなどヘンテコだけど心惹かれるキャラクター達。そして、まだ行けないけどこれから行けるようになるであろう赤や青の扉、井戸などがあり、もうこの時点でワクワク感がすごい。
更に丘の上を見ると海の見える小さな家があり、洗濯物が干してあって、裏手にはベンチが…と、私的にはここでもう雰囲気100点です。
ダンジョンをクリアし、星のカケラを手に入れるとジャンプなどの新しい能力が身につきます。今まで行けなかったところに行けるようになり、少しずつ探索範囲が広がっていくのが本当に楽しい!
島のあちこちに隠されている「ねこ絵」を集めるとアンニカの着せかえ衣装などが貰える要素もあるため、隅々まで探索したくなります。
島には気になるものがたくさんあり、「あれは何だろう?」とあちこち夢中で走り回ってしまいます。アンニカが一つ一つに素直なコメントをするのがすごくいい。
スピカ島ののどかな雰囲気は「ずっとこの島にいたい」という気持ちにさせてくれます。BGMも癒される…。夕焼けと朝焼けに包まれるスピカ島は美しく、ベンチから眺める海がお気に入り。
顔出し看板などの写真映えスポットもありますが、私が特に好きなのは島に点在する休憩所。なぜかトタンで作ってある手作り感と、謎のキャラクターが描かれたゆるさがたまりません。
ダンジョンにはオバケがいるため、攻撃を避けたり道中にあるクリスタルで回復しながら進んでいきます。
回復アイテムも一応ありますが、あまり使う機会はなく難易度は低めです。オバケよりも落下したり溺れるほうが怖いかな…!
ボス戦はリズムゲームになっており、ボスの攻撃に合わせてタイミングよくボタンを押していきます。普通のバトルではなくリズムゲームなのが、世界観に合っていて好きな点。ボスを操る魔女リリィもダンスをしながら攻撃してきたりと楽しくて素敵です。
最初に難易度を選択できるのでリズムゲー苦手な人でも安心。
タイトル画面からリズムゲームだけ繰り返し遊ぶことができるのも嬉しいですね。
イベントシーンは漫画風の演出で進んでいきます。
キャラクター達が生き生きと描かれていて、3Dでは出せない暖かみがあってとても好きです。
登場人物もみんな魅力的で、主人公のアンニカはとにかく無邪気で表情豊か。ちょっと抜けた所があるのも可愛く、見ているこっちまで笑顔になれます。
アンニカを導く存在であるジラフは、どこかミステリアスでありながら優しくアンニカを見守る表情が印象的。
リリィはアンニカの邪魔をしてくるライバルだけど、コミカルで良いキャラしてます。
島の住民達もウサギの家族やオカメインコの芸術家など、みんな可愛らしいキャラクターばかりでとても癒されます。
うさパパ、イケメン。
ほのぼのとして優しいストーリーに癒されるのはもちろん、切なさと暖かさが胸に残るラストも大好きです。クリア後は映画を見終わった後のような余韻に包まれました。
終盤にアクション要素が強くなるのは好みが分かれるところかなぁと思います。個人的にはメリハリがあって良かったです…が、トロッコ部分はもう少し緩くてもよかったかなぁ。
また、遊ぶのに問題はありませんが、Switchの携帯モードだと結構画面がボヤけるのは気になりました。Switchユーザーの方はTVモードがおすすめ!
私の場合クリアまでは6時間半でした。ねこ絵やナゾの紙片のコンプリートを目指せばもっと長く遊べると思います。
優しさと暖かさに包まれた素敵な作品。
スピカ島でアンニカやジラフ達と過ごした時間は、短くても忘れられないものになりました。